2006年04月10日
産構審、製品含有化学物質の情報伝達指針まとむ
関係業界が留意すべき事項を専門WGが整理
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:経済産業省

 産業構造審議会の化学・バイオ部会は、7日に開催した製品含有化学物質情報伝達ワ−キンググループの第2回会合で事務局の経済産業省製造産業局が示した「製品含有化学物質情報伝達に係わる基本的指針案」を審議して了承した。
 
 同案は、エレクトロニクス製品や自動車部品等に含まれる化学物質の環境・健康影響に関する情報を広く関係各方面に開示していくに当たってどんな点に留意すべきかを整理し、基本指針のかたちに取りまとめたもの。
 おもちゃや食品包装容器等に含有している化学物質についてはかなり早い時期から産業界が安全管理に取組んできており、また情報開示も進んでいる。しかし、エレクトロニクス製品や自動車部品に含まれる化学物質についての情報伝達は最近になってようやく本格化しはじめたばかり。
 同局では、そうした中でEUがELV指令(自動車部品の廃棄の規制とリサイクル促進の指令)やRoHS指令(電機・電子機器に含まれる特定化学物質の使用制限指令)さらにはREACH(一定の化学物質の登録と認可の義務付け)といった化学物質の規制案を相次いで実行に移しつつある点や、中国が電子情報製品に含まれる特定化学物質の規制を検討し始めた点などからも判断して、これら組み立て産業の製品に含まれる化学物質についても関係業界が一体となって最適な方法で必要な情報を関係各方面に的確に伝達していくことが急務と考え、基本指針の取りまとめに乗り出していたもの。
 
 今回同WGの同意が得られた指針案の内容は「基本的な考え方」と「企業における体制の整備」の2章で構成されており、うち前者に関しては(1)適切な責任分担に係わる共通認識の醸成(2)企業内での化学物質情報に係わる理解の増進(3)営業秘密としての管理の必要性に係わる認識の共有化(4)欧州の新化学物質規制(REACH)等への対応--の4点が特に重要と指摘している。
 一方の後者については、全般的重要事項として(1)化学物質管理や含有化学物質の情報取得の意義に関する理解の促進(2)適切な製品含有化学物質の管理体制の構築(3)営業秘密に係わる情報の管理の徹底(4)規制物質に対する情報開示義務の認識--の4項目を挙げ、加えて、情報を要求する側と情報を提供する側それぞれの課題や、水平・垂直方向での協力の在り方等についても具体的に言及している。
 
 経済産業省製造産業局では、この基本指針を国際標準化機関や各種国際会議の場で紹介して国際ガイドライン化を提案・提唱していきたい考え。