2006年04月10日
三菱化学、水島でも高効率分解炉を2炉設置へ
石化原料の多様化と省エネルギーを目的に
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は10日、鹿島事業所に続いて水島事業所でも石化原料の多様化と省エネルギー化を目的に高効率分解炉を2炉(ナフサのみ使用した場合のエチレン生産能力は計13万トン)設置することにしたと発表した。

 設置する分解炉は、コンデンセートや灯・軽油等の重質溜分を活用することでナフサの使用比率を引き下げるためのもの。これに合わせて、エチレンの精製装置および芳香族製造装置の改造と、蒸気タービンの改造、新たな熱交換器の設置を実施する。このうち省エネ対応の工事に対しては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が「エネルギー使用合理化事業者支援事業」の一つに取り上げて補助金を交付することにしている。

 今年9月に着工、08年3月に完工の予定。総投資額は約85億円となる見込み。

 完工後の水島事業所内のエチレンプラント(年産49万6,000トン能力)の原料多様化率は、現在の10%弱から20%に引き上げられる。鹿島事業所を合わせて平均13%程度と、約3ポイントアップする。

 これに伴い、同事業所におけるベンゼンとプロピレンの生産量は若干増えるが、エチレンの生産量は鹿島事業所の場合と同様に現在と同じ規模にとどまる見通し。なお、鹿島の高効率分解炉は来週にも本格稼動に入る予定だ。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1144646888.doc