2006年04月12日
三井化学も3月のPTAの輸出は引き下げ
4月分は前半と後半にそれぞれ10ドルアップ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は12日、中国のポリエステル大手と進めていたPTAの3月の輸出価格交渉がCFRトン860ドルで決着したことを明らかにした。2月分の価格に比べると35ドル、1月分に対比すると30ドルの値下がりとなる。昨年12月と同じレベルに戻ったことになる。
 
 同社の当初の提示価格は920ドルであった。決着価格がそれを大きく下回ることになったのは、中国国内のポリエステル繊維の国内需要と輸出ともに不振で重合各社の在庫が膨らんできたためという。重合各社の3月の平均稼働率は65%で、2月を6ポント下回った模様。
 
 ただし、4月分については月の前半分を870ドルにそして後半分を880ドルに引き上げることにしている。これは、4月の需要がポリステル繊維向けを中心に回復する見通しにあり、また製品市況も上向く傾向にある点を考慮してのもの。また、原料PXの価格が高止まりとなる公算が濃厚な点も理由の一つとなっている。
 三菱化学やBPも同様の値上げを打ち出して需要家各社と折衝に入っている。三井化学はそれを追うかたちとなっているが、前半分については大方の需要家から同意を得つつあると説明している。引き合いは久々に活発化してきており、このため直近のスポット相場は875ドルで、3月末の平均を10ドル高いレベルに上がっているという。