2006年04月13日
ナフサのスポット相場、ついに600ドル台に
誘導品業界に強いインパクト
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 ナフサの国際スポット相場のうち日本の商社や石油・石油化学企業等が国際トレーダー筋にオファーしたり、契約した直近のC&F価格の平均はトン当たり600ドルの大台を3〜5ドル上回るハイレベルとなった。1週間前に比べるとおよそ50ドル(9%弱)のアップとなる。1年前に対比すると254ドル(73%)高になる。

 北西欧向けのスポット相場も同様に今週に入って再騰している。1週間で8%上がって590ドル強となっている。いずれも、原油のスポット相場が中東やナイジェリアの政情不安や米国のガソリン需要の拡大等で続騰してきたのに連動してのもの。ただし、上昇率は原油のそれを上回っている。

 このため、わが国の石油化学企業、特にポリオレフィンなど誘導品メーカーの間にはナフサ価格に対する不安が広まっている。直近の契約ものがわが国に入着する2ヵ月先の為替を117〜118円と仮定すると、そのころの国産ナフサ価格が1キロリットル当たり5万1,000〜5万2,000円になる可能性が強くなってきたからだ。

 石化企業の多くは4〜6月期のナフサ価格予想を4万7,000〜4万7,500円としており、誘導品価格をそのレベル見合いのところまで引き上げることが当面の各社の目標となっている。直近のナフサ相場が続くと、製品の価格政策を大幅に見直す必要が出てくる。