2006年04月17日
SMの3月の生産・出荷量はともに前年割れに
定修の集中が影響、1〜3月期も前年を下回る
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 SM(スチレンモノマー)の3月の生産と集荷の実績は、生産が前年同月比80%の21万8,571トン、出荷が同81%の23万6,072トンとなった。ともに3ヵ月ぶりに前年同月の実績を下回った。しかも縮小幅がこれまでになく大きい点が目を引く。
 しかしこの点についてスチレン工業会では、SM業界と需要業界の双方で定修による設備の運休が集中したことが大きな要因と分析している。3月に定修を実施したSMメーカーは4社(計6工場)を数え、またPS業界でも3社の設備(計4工場)が定修で運休したことからいつにない大幅な減産と出荷減になったと説明している。
 
 一方の出荷は、国内向けが同87%の13万3,943トン、輸出が同74%の10万2,129トンとなっている。うち国内向けが前年同月割れとなったのは、定修プラントの運休に加えて、PSメーカーの多くが需要の不振に対応して減産を継続したためでもあると見られている。これでSMの国内向け出荷は12ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 輸出は13ヵ月振りに前年同月を下回った。定修で輸出余力が著しく縮小したのが要因と同工業会では説明している。
 
 この結果、SMの1〜3月期の生産・出荷実績は、生産が前年同期比97%の82万1,267トン、出荷は同98%の83万2,102トンとなった。生産は3・四半期ぶりの、そして出荷は4・四半期振りの前年同期割れである。同工業会では、これにもSMメーカーと需要家の双方の定修の集中が大きく影響していると判断している。
 
 出荷のうちの国内向けは同92%の45万4,082トン、輸出は同105%の37万8,020トンとなっている。これで国内向けの減少は6・四半期連続となった。PS各社の減産の継続が最も大きく影響していると見られている。合成ゴム向けは引き続き前年同期を上回っているという。
 一方の輸出の増加は、1〜2月の好調がきいてのもの。これで4・四半期連続の前年同期超えとなった。
 期末在庫は10万3,372トンで前年同期末を10%上回っている。しかし4〜6月期にもSMの定修が予定されているので縮小する見通しにある。