2006年04月17日 |
PSの出荷、3月も前年同月の11%減と不振 |
1〜3月計は工業用と雑貨・産業用が前年超え |
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:日本スチレン工業会 |
PS(ポリスチレン)の3月の生産・出荷実績は、生産が前年同月比86%の6万3,183トン、出荷が同89%の7万6,817トンで、いずれも大幅な前年同月割れになった。 生産の大幅減は、PSメーカー3社・4工場の定修によるPSプラントの運休の集中と、需要の低迷に対応してのPS各社の減産の継続とが重なったことによるもの。これで、PSの月間生産量は11ヵ月連続して前年同月を下回る結果となった。 一方の出荷は5ヵ月連続の前年同月割れとなった。国内向けが包装、雑貨・産業、FSの各分野の需要の落ち込みによって8%縮小したのと、輸出が中国向けの不振で53%減となったことによる。うち国内向けの減少には、FS向けの20%減が大きく響いている。このため国内向けは5ヶ月連続の前年同月割れとなった。ただし電機工業用は、TVや事務機分野の需要の好調を支えに前年を2%上回り、先月に続いての前年同月超えとなった。もっとも、他の分野も2月に対しては軒並み増加している。 輸出の落ち込みは、各社が採算を重視して特定分野に限定しての取り引きに徹しているためで、これで前年同月割れは12ヵ月連続に伸びた。 この結果、PSの1〜3月期の生産・集荷実績は、生産が前年同期比90%の20万5,486トン、出荷が同95%の20万7,141トンとなった。 四半期単位の生産量が20万トン強にとどまるのは04年の第1・四半期以降今回が初めて。これで3・四半期連続の前年同期割れとなった。PSメーカーの同期の平均稼働率は76%となっている。これには、PSの輸入が急増していることも影響していると見られる。同工業会によると、今年1月の輸入量は3,125トンで前年同月の18%増、2月は4,946トンで前年同月の3倍強となっている。 出荷は5・四半期連続の前年同期割れである。国内向けがFS用の大幅減が響いて4%縮小したことと、輸出が引き続き低迷して43%減となったことによる。国内向けは5・四半期連続で、輸出は14・四半期連続で前年同期を下回っている。もっとも、国内向け出荷のうちの電機・工業用と雑貨・産業用はともに前年同期を1%上回っている。包装用はマイナス成長だが縮小率は2%にとどまっている。 |