2006年04月18日
東レ、マレーシアでABS樹脂増強 透明グレードも現地生産
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東レ

 東レは18日、ABS樹脂「トヨラック」のマレーシアでの生産設備増強および透明グレードの現地生産化を決めたと発表した。現地子会社のトーレ・プラスチックス・マレーシア社(TPM社)の年産能力を11万トン増強する。同時に高付加価値品の透明グレードを生産する。総投資額は約100億円で、2008年3月の稼働開始を目指す。
 
 これにより同社の生産能力は年33万トン、国内の千葉工場(千葉県市原市)を含むグループ合計能力は年40万2,000トンに拡大する。
 
  今回の設備増強は、アジア市場におけるABS樹脂の旺盛な需要増と、ユーザーニーズの 多様化・高度化に対応するための戦略的拡大投資となる。TPM社で高品質・高機能品の安定供給体制を構築する一方、世界ナンバーワンシェアを誇る透明グレードを導入することで 製品系列を拡充する。
 
 ABS樹脂の世界需要は約580万トンと推定され(2005年)、今後も年5%以上の高成長が期待される。そのうち約330万トンを占めるアセアン地域および中国では、自動車や 家電、OA機器メーカーの現地生産が拡大しており、2010年には世界市場の65%にあたる450万トンに拡大する見通しだという。
 
【トーレ・プラスチックス・マレーシア社(TPM社)の概要】
(Toray Plastics (Malaysia) Sdn. Berhad)
(1)設立 :1990年(平成2年)7月
(2)資本金 :150百万マレーシアドル(4,214百万円)
(3)出資比率 : 東レグループ100% (東レ:86.6%、PAB社:6.7%、PFR社:6.7%)
(4)社 長 :佐々田 泰彦(東レ常任理事)
(5)事業内容 :(1)ABS樹脂の生産・販売 (2)PBT樹脂の販売
(6)所在地 :マレーシア国ペナン州プライ・フリー・トレード・ゾーン (本社、工場)
(7)従業員数 :247名(うち日本人8名)
(8)生産能力 :22万トン/年(2006年3月現在)

(注)本増設実施後は◇ 資 本 金:325百万マレーシアドル(9,579百万円)◇ 出資比率:東レグループ100%(東レ:93.8%、PAB:3.1%、PFR:3.1%) となる

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1145351031.pdf