2006年04月19日 | |
昭電、大分のエチレン、酢酸、酢ビ 生産能力増強 | |
エチレン生産能力 695千トン 2.4万トン増加 | |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
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昭和電工は、3月中旬から40日間にわたる大分工場の定修が今週末に明けるが、工場ではこの間に中核となるエチレンプラントをはじめ、酢酸、酢酸ビニル設備の増強を行い、一段の収益力強化を実現した。 西本浩常務(石油化学事業部門長)は19日、記者会見し「アジアでトップクラスの収益力を持つ、個性派コンビナートを目指してきたが、実現に一歩近づいたと思う」と語った。 工場の設備能力は、エチレンプラントが年産67万1,000トンから69万5,000トン(非定修年)へと2万4,000トン増えたのをはじめ、酢酸が10万トンから13万トン、酢酸ビニルは12万トンから17万5,000トンへと大幅拡大した。 エチレンは原料多様化に向けた改造工事を行った。多様化比率はこれまで20数%止まりだったが、最大50%まで対応可能となった。今後は分解ケロシンや分解重油の再利用、高付加価値化にも注力する。 酢酸、酢酸ビニルの増設は、プロセスの改良と新開発した触媒性能の向上を中心に実施した。生産量の増加とともに単位当たり生産コストの削減を実現した。所要資金はエチレンプラントの手直しに約20億円、酢酸などその他を合わせて総額62億円。 同社は前中計の「プロジェクト・スプラウト」(03〜05年度)で石油化学事業を「再構築事業」、また現行中計「プロジェクト・パッション」では「基盤事業」と位置づけ、一貫して同事業の合理化と大分工場の体制強化に取り組んできた。 ナフサ価格の高騰やアジア・中国市場の動向など、石化業界にはなお課題が多いが「大分工場は国際環境や市況変動の影響を受けない構造になったと言っていいだろう」と、西本常務の表情には明るさが見られた。 |