2001年08月28日
アセトン各社、国内市場の値下げ要求を押し返す
需給の均衡を背景に採算割れを回避に全力
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学などアセトンメーカーはかねて国内の需要家の多くからアセトン価格の引き下げを求められているが、各社とも、要求を受け入れると採算割れががさらに大きくなるとして強く押し返している。今後も引き続き全てのユーザーの値下げ要求を拒否していく構えだ。
 
 アセトンメーカーによると、現在のアセトンの国内価格の平均は、ナフサ1キロリットル当たり2万4,000円見合いを若干割り込むレベルにあるという。4~6月期のナフサ価格は1~3月期より同1,300円上がって同2万5,300円になったので、現在は全てのアセトンメーカーが完全な逆ザヤ状態にあるとされる。7~9月期のナフサ価格がいくらになるかはまだ明らかでないが、現在のアセトン価格の引き下げが可能となるだけの大幅な値下がりはないというのが同製品業界各社に共通した見方となっている。
 
 同製品業界に取って有利な点は、需給バランスが依然として均衡しており、しかも今後もウエルバランスを維持していける見通しにあることだ。現在の国内の実質生産能力は年間約47万トンと見られる。当面、新・増設はない。それに対する今年の需要は、国内が46万5,000トン、輸出が2万トンと推定されている。もっとも、国内需要のうちの2万トン、場合によっては4万トンが輸入品によって食われるとも見られている。それでもなお44万5,000~46万5,000トンの実質需要を確保していける見込みにあるわけで、したがって、ウエルバランスを十分維持していけるということになる。