2006年04月26日 |
大阪大学、新日鐵化学など3社と初の「共同研究講座」設置 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:新日鐵化学、ダイキン工業 |
大阪大学は26日、今年度から社会の発展に資する学問領域の研究拠点を産業界と共同で大学内に確保するとともに、工学研究科では小松製作所、新日鐵化学、ダイキン工業の3社とそれぞれ「共同研究講座」を設置すると以下の通り発表した。 【共同研究講座の趣旨・特徴】 共同研究講座は、大阪大学の研究の豊富化、活発化、産業界への貢献を図るために民間からの資金によって学内の部局に付加的に設置される独立した研究組織である。そこでは資金を出資する民間企業(以下「出資企業」という。)から研究者及び研究経費などを受け入れて、大阪大学の教員と出資企業からの研究者とが対等の立場で共通の課題について共同して研究を行うことにより、優れた研究成果が生まれることを促進する制度である。 共同研究のために設ける独立した研究組織で、大阪大学と出資企業とが協議しながら研究を行うことにより、柔軟かつ迅速に研究活動を運営することを特徴とする。得られた成果は大学と出資企業との共有となることを原則とする。 この制度は産業界で必要とする基盤技術の長期間にわたる発展と応用を目指す研究や、大規模な共同研究を行うことに適したものである。 ◇設置条件;教授あるいは助教授1 名と、研究者1 名を構成の最低要因とする。 ◇教員の選考;通常の選考規程に準じるが、教育経験は問わない。 <寄附講座制度との比較> 寄附講座(寄附部門も同様、以下同じ)の目的は、大阪大学における教育と研究の両方の豊富化、活発化を図ることであり、共同研究講座では目的を研究に集中するものとする。従って、研究者には教育の義務はない。 寄附講座は付加的に設置される組織であることは共同研究講座と同じであるが、そこでの教員の選考、教育研究の内容、方法等については、大阪大学が主体的に企画、運営するものであり、寄附者の意向を直接反映するものではない。 共同研究講座ではその成果は出資企業と共有することが原則であるのに対し、寄附講座では教員の雇用を含む活動資金は奨学寄附金であり、成果を目的としたものではないので、その成果は大阪大学が単独で所有し、寄附者のものとはしない。 <共同研究制度との比較> 共同研究は民間企業から研究者及び研究経費等を受け入れて、大阪大学と出資企業の研究者が対等の立場で共同研究をする点は共同研究講座と同じであるが、大阪大学で研究を行う組織は部局の既存の講座または部門であり、教育や他の研究活動と同時に共同研究を行うもので、独立した組織で共同研究を行う場合と比べ、迅速あるいは柔軟な対応をし難いと言わざるを得ない。 また一般的に共同研究は単年度、長くても数年間という短い期間の活動を行う仕組みであり、期間が長い場合には研究場所や教職員の確保が困難である。 <大学に研究講座を持つことによるメリット> (1)企業のメリット;企業では困難な、長期的視野にたった技術分野の基礎力をつける(企業から研究員を派遣、大学から移動するなどの人材交流)。キャンパスに講座があることを利用した研究・人材情報収集 (2) 研究科のメリット;研究資金、企業情報の確保、視野の拡大による新規研究分野の確立。学生(特に大学院生)の実質的なインターンシップによる教育効果。 (3)大学と企業(社会との)との協働作業環境を作ることにより、企業と大学のフェーズをあわせることが可能。ミスマッチをなくすことによる、共同研究や、委託研究などの大幅な効率化(研究内容、資金、人材の無駄遣いをなくす)が図れる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1146033129.pdf |