2006年04月28日
三菱レ、MMA製品3品目の国内価格を引き上げ
MMAモノマーやメタ酸を5月15日から20円値上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは28日、MMA製品3品目の国内価格を5月15日からいずれもキログラム当たり20円引き上げると発表した。

 対象となるのは、MMA(メチルメタクリレート)モノマー、MAA(メタクリル酸)、それとBMA(ブチルメタクリルレート)やHEMA(2-ヒドロキシエチルメタクリルレート)等の高級エステルの3品目。昨年末に打ち出した同25円の値上げに続くもの。

 値上げ率は、品種によって異なるとしているが、MMAモノマーを例に取ると10%弱となる模様。

 値上げの理由としては、4〜6月期のナフサ価格が1〜3月期のキロリットル当たり4万6,100円から大きく跳ね上がって5万円を超える見通しとなってきたのに加え、メタノールの価格や各種燃料・物流費が大幅に上昇していて採算を確保できなくなっていることを挙げている。

 前回打ち出した値上げについていまだに態度を保留している一部のMMAモノマーユーザーに対しては、前回の是正分について早期に同意を取り付け、そのうえで今回の再引き上げに関しても了解を得るようにする考えだ。

 MMAモノマーとその関連製品の最近の需給バランスは、国の内外ともに需要が活発化している一方で、MMAメーカーの相次ぐ操業トラブルに定修も重なったため急速に逼迫してきている。このため3月末に2万3,000トンと適正規模ギリギリのレベルにあったMMAモノマーのメーカー在庫は一気に縮小しつつあり、2万トンの大台を割り込むのが時間の問題と見られている。併産されるメタクリル酸の在庫率も、適正規模を大きく下回る半月分まで縮小してきたため引き合いに応じられなくなっているという。

 同社では、MMAモノマー製品全体の需給バランスが今後も引き続きアジア全体で逼迫したまま推移すると判断している。夏場から同社の年産10万7,000トン設備など大型モノマープラントの定修が相次ぐ見通しにあるからだ。このため、中国向けを中心とした各製品の輸出価格についても引き続き底上げを進めていきたいとしている。