2002年05月30日
三菱レイヨン、中国のDMF計画を煮詰めへ
MA設備も合わせて来年末の完成を目指す
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンはかねてからMMAに続いてDMF(ジメチルフォルムアマイド)についても中国に進出する方向でFS(フィージビリティスタディ)を進めているが、近く最終結論をまとめることになった。
 
 現地資本と合弁会社を設立して原料のMA(メチルアミン)も合わせて2種類の製造設備を2003年度末までに上海近辺に建設することになりそう。設備規模は、DMFが年産3万トン、MAが同2万5,000トンとなる公算が強い。
 DMFの需要は中国でも人工・合成皮革用を中心に拡大の一途をたどっている。昨年の総需要量は約12万トンで、前年を5%ていど上回ったと見られている。全世界の需要量の4割に達している計算だ。ただし同国の自給能力は総需要量の2分の1にすぎず、このため残り半分は日本や韓国からの輸入品で賄われている。
 三菱レイヨンはその中国にこれまで年間1万トン弱を中国に輸出したきた。同社の生産能力は年3万5,000トンなので、対中輸出の占める比率はかなり高い。それにもかかわらず現地にも生産拠点を設けることにしたのは、同国のDMFの需要がこれまで以上のテンポで拡大していく見通しがはっきりしてきたからという。同社では、少なくとも年率5%、場合によっては10%の成長が期待できるとしている。