2006年05月16日
東セロ、機能性フィルムの増産体制構築
スリッターを増強、シリコーンコートの増設も計画
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東セロ

 ポリオレフィンフィルム大手の東セロは、5月の連休期間中に産業用機能性フィルムの一つであるシリコーンコートフィルムの生産能力の増強を完了した。同社茨城工場内に昨年秋に設置したコ-ティング装置の第3号スリッターの能力を拡大したもの。

 この結果、同フィルムの同社の総生産能力は従来の年産160万平方メートルから同最大190万平方メートルに引き上げられた。約20%の能力増となる。

 これは、セラミックコンデンサー、液晶関連製品、電子部品用封止用接着シート、積層成形用など電子部品向けの需要が好調で既存の体制では拡大する注文に応じきれなくなってきたことによる。

 同社では今後も同フィルムの需要は拡大を続けると判断しており、このためコーティング設備の第4号機の増設についても検討を開始した。

 これによって、同フィルム分野での同社の事業基盤は一段と強固なものになり、同社全体の体質も大きく強化されることになりそうだ。

 今回の増産効果と産業用機能性フィルム全体の拡販、ならびに今年3月にコンバータ各社から同意を得た汎用ポリオレフィンフィルムの価格引き上げの効果等が相俟って今年度の業績も史上最高を更新できると予想している。売上高は614億円で前期比8.6%増、経常利益は38億円で同14.5%増、営業利益は同43億円で同16.5%増、当期純利益は22億円で同16.5%増と予想している。