2001年08月24日
出光石化とFPCの合弁新会社、台湾での登録が完了
10月に麦寮にポリカーボネート設備を建設
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成

 出光石油化学と台湾・FPCの両社がかねて台湾経済部に申請していたポリカーボネート(PC)の製造・販売のための合弁新会社の設立が8月20日付けで認可処理され、設立登録が完了となった。
 
 新会社の社名は「台北出光石油化学股フン有限会社」。資本金は6元(邦貨換算約20億円)。出資率は両社50%づつ。社長には千田耕ー・出光石油化学機能性樹脂部次長が就任する。本社は台北市。工場所在地は麦寮地区。
 
  同新会社は、出光石油化学の技術によるPCの工業化を当面の目標に設立されたもの。今年10月に麦寮地区に年産5万トン能力のPC設備を完成する。しばらく試運転して来年春から営業運転と販売活動を開始する予定。同樹脂の製造に必要な原料はFPCから受給していく。
 
  注目されるのは、もっぱらCDR用品種に的を絞って生産していく構えにある点だ。年産5万トン規模のワンユニットでCDR用品種だけを量産するケースは世界でもめずらしい。これは、中長期でとらえれば台湾におけるCDRの生産は確実に拡大傾向をたどっていくとの判断によるもの。
  台湾では、CDR向けを中心にPCの需要が急拡大しており、3年前に年間約3万トンにすぎなかった消費量が現在では9万トンに膨らんでいるという。このため、両社による新会社のほか、奇美実業と旭化成が同じく合弁でほぼ同じタイミングで同5万トン規模の同樹脂の製造・販売を開始しようとしている。