2006年05月17日
北九州市立大が廃プラリサイクルの新技術を開発
プラ協が支援、アロマ高含有の分解油製造が可能に
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は17日、同協会がかねてから研究開発を支援してきた北九州市立大学の藤元教授が廃プラスチックの新たなリサクル手法の基礎技術開発に成功したと発表した。

 この技術は、塩ビを含む各種廃プラスチックをFCC廃触媒を使って熱分解し、芳香族を多量に含む軽質分解油を低コストで得るというもの。既存の油化プロセスと異なりC6〜C9成分が全体の5割以上を占めるため需要が旺盛なBTXが効率よく得られる点と、塩ビを混合処理しても有機塩素の発生量が既存のプロセスの10分の1の120PPm程度に抑えられる点が大きな強みとされる。得られるヘビーナフサのうちの6割近くがアロマで占められるという。

 同協会が藤元教授の実験データを石油産業活性化センターやジャパンエナジーなどリファイナリー5社に紹介したところ、価値の高い石化原料化プロセスとの評価が得られたという。

 今後は同大学が、既存の毎時5キログラムの小型ロータリーキルンを改造して本格工業化に必要な各種データを採取しながら量産化技術の仕上げに取り組んでいく。同協会が引き続きそれを支援していく。経済性の面でも将来性が確認されれば今後の容器包装リサイクル法の有力リサイクル対象手法として広く活用されていく可能性が高い。