2006年05月17日
宇部興産、スペインにナイロンR&DセンターとPCD/1,5-PDLプラントが竣工
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は17日、100%子会社のUBE Engineering Plastics, S.A. 及びUBE Chemical Europe,S.A.がスペインに建設していたナイロンR&Dセンターが完成、またポリカーボネートジオール(PCD)/1,5-ペンタンジオール(1,5-PDL)プラントも本格稼動したため、19日、現地で竣工式を行うと発表した。

 竣工式には、スペイン中央政府の代表や、地元バレンシア州及びカステジョン市の政府関係者、在スペイン日本大使ら、要人多数の出席が予定されている。

【ナイロンR&Dセンターの概要】(UBE Engineering Plastics, S.A.)
 宇部興産グループは、日本(宇部)・アジア(タイ)・欧州(スペイン)3拠点でナイロン樹脂を生産している。R&D機能充実のため、2004年4月にUBE Engineering Plastics, S.A.でナイロンR&Dセンターの建設に着手、06年1月に完成した。現在研究開発業務を行っている。

 研究開発を生産拠点と一体化させ、欧州マーケット内に置くことで、顧客からの要求に迅速・的確に応えていく。今後は欧州マーケット向けの新製品開発も視野に入れた研究開発にも取り組む。

【PCD/1,5-PDL プラントの概要】(UBE Chemical Europe,S.A.)
 1999年10月に稼動した1,6-ヘキサンジオール(1,6-HDL)プラントに続き、欧州でのスペシャルティケミカル製品事業拡大のため、PCD/1,5-PDLプラントの建設を進めていた。2004年12月に着工し今年1月に完成、このほど本格稼動に入った。

 PCDプラントは年産能力3,000トン。ポリウレタン原料として高耐久性を付与することができるため、主に人工皮革や自動車用塗料、フロアコーティングの木工塗料などに使用され、需要も大きく伸長している。宇部興産はPCD の主原料であるジメチルカーボネート(DMC)及び1,6-HDL の両方を持つ世界唯一のメーカー。

 1,5-PDLプラントは年産400トン能力。主にポリエステル、ポリウレタンや医農薬原料のほか最近はインキ溶剤、コスメティック分野などにも需要が伸びている。


PCD/1,5-PDL プラント外観

ナイロンR&Dセンター外観