2006年05月17日
旭化成ケミの藤原社長が定例会見
今期も事実上の増収・増益を見込む
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズの藤原健嗣社長は18日、記者会見し、同社の06年3月期の業績の概要を説明するとともに07年3月期の業績見通しを明らかにした。

 06年3月期の業績は売上高が前期比15.8%増の6,604億円、実質営業利益が同21.9%増の390億円と大幅な増収・増益になったが、同社長は「その最大の要因は変性PPEなどエンジニアリング樹脂の価格修正が順調に進んだことと、リチウムイオン2次電池用微多孔膜(ハイポア)やイオン交換膜法食塩電解システム等の高付加価値型製品の販売が大きく伸びたことにある」と指摘、かねてから力を入れている高付加価値製品事業の育成が順調に進んでいる点を強調した。ちなみに、高付加価値型事業部門の営業利益は前期を25.7%上回って191億円となり、同社全体の営業利益の49%を占めるに至っている。
 
 一方、07年3月期の業績については「売上げが前期を8.3%上回って7,150億円となる反面、実質営業利益が7.2%減って362億円に縮小する」と増収・減益となる見通しを明らかにした。
 減益の要因は「これまで毎年予算に組み込んできた技術ライセンスフィー等の事業外収入見込みを今期は計上しないことにした点にある」と説明、そして事実上の営業利益はハイポアや精密ろ過膜(マイクローザ)等の高付加価値型製品の生産・販売増によって引き続き前期を上回ると示唆した。