2006年05月23日
PSの内需、前年比は先行需要の反動で4月も減少
SMも内需の前年割れが長期化、在庫は減産で縮小
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が23日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の4月の生産と出荷の実績はいずれも前年同月を下回った。
 生産は7万1,207トンで前年同月比が12%減、出荷は7万6,985トンで同8%減となっている。出荷のうち、国内向け(内需)は7万4,599トンで同8%減、輸出は2,386トンで同2%減といずれも前年を下回っている。この結果、生産は12ヵ月連続の前年同月比減となった。

 同工業会では、定修の集中(3社・4工場)に定修メーカー以外の生産調整が重なったのが4月の減少の要因と分析している。
 出荷は国内向けが6ヵ月連続の前年同月比減となり、一方の輸出は前年同月割れが13ヵ月連続に伸びた。その結果出荷計も6ヵ月連続して前年同月を割り込むかたちとなった。国内向けの減少は、前年3〜4月に発生した前倒し需要の反動が出たのに加え、今年1〜3月期に輸入品が増加したのが影響してのものと同工業会では判断している。

 電機・工業用は2%減と縮小幅が極めて小さく、また包装用もOPS向けの需要の回復がきいて減少幅が3月の8%減から4%減に縮小、合計の出荷量が今年初めての3万トンの大台に乗っている。月末在庫は生産の減少が大きく作用して一段と縮小、前年同月比2%減の9万1,122トンとなった。

 また、SM(スチレンモノマー)の4月の生産と出荷の実績もPS同様に引き続き前年同月を下回った。生産は21万9,274トン、出荷は25万1,335トンでともに前年同月を6%下回っている。
生産の減少は定修が4社・6工場と集中したことによるもの。3月に続いての前年同月比減となった。

 出荷の減少は、国内向け(内需)が15万4,984トンで前年同月を2%下回ったのに加えて今年2月まで好調であった輸出が前年同月比12%減の9万6,351トンに終わって2ヵ月連続の前年同月比減となったため。

 国内向けの減少は、最大消費分野であるPS向けがPSの減産が響いて長期にわたってマイナス成長を続けていることによる。これでSMの国内向けは13ヵ月連続の前年同月比減となった。輸出の減少は、定修の集中で多くのSMメーカーが輸出余力を失ったためと同工業会では分析している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1148353507.tif