2006年05月23日
三井化学、BPAとEXの国内価格を引き上げへ
6月1日出荷分からBPAはキロ20円、EXは31円アップ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は23日、BPA(ビスフェノール-A)とEX(エポキシ)の国内販売価格をそれぞれ6月1日出荷分から引き上げると発表した。上げ幅はBPAが1キログラム当たり20円、EXが同31円。いずれも昨年4月いらいの値上げとなる。
 
 今回の値上げは、いずれも過去13ヵ月間におけるナフサ価格と用役費のアップに伴うコスト拡大分を製品価格に転嫁しようというもの。
 BPAの上げ幅を同20円に設定したのは、これまで未転嫁のままきたナフサ価格の上昇による原料アセトンのコストアップ分が同12円となるのに加えて、C重油価格の上昇に伴う用役費(燃料費)のコストアップ分が同8円に達するためと説明している。この間のナフサ価格の上昇幅は、05年4月当時のキロリットル当たり3万1,000円と06年5月現在の同5万2,000円との差の2万1,000円、またC重油の場合の上昇幅は05年4月当時の同3万円と06年5月現在の同5万6,000円との差の2万6,000円になると説明している。
 
 一方のEXの上げ幅を同31円としたのは、BPAのコストアップに伴うEXの負担分が同14円となるほか、ECH(エピクロルヒドリン)の値上がり分同12円と用役費のアップ分同5円が加わるためと述べている。
 
 同社に取っては、かねてから国内価格の行方を大きく左右するアジア市況がBPAもEXもともに中国の需要拡大を支えに急騰している点が追い風となりそう。直近のアジアのスポット価格はBPAがPC用でトン当たりCFR1,500ドル、EX用で同1,350〜1,400ドル、EXが同2,800ドルとなっている。1ヵ月でBPAは同100ドル、EXは4ヵ月で計同500ドル上がったことになる。しかも6月はBPAで同100ドル、EXで同200ドル引き上げられる可能性が高いと同社では予想している。