2006年05月25日
SMの対中輸出価格、1,150ドルにアップ
SM各社がベンゼンの高騰分の転嫁に懸命
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、わが国からのSM(スチレンモノマー)の中国向け輸出価格は5月中旬以降も小幅ながら上昇を続けている。
 
 直近のCFRベースでの平均価格はトン当たり1,150ドルで、1週間前よりさらに20ドル前後上がっている。4月中旬に比べると120〜30ドル高い。さらにその2週間前に対比すると170〜180ドル上がったことになる。

 これには、SM各社が原料ベンゼンとエチレンの急騰に伴うコストアップ分を先ずはSMの輸出価格に転嫁すべく必死の取り組みを続けてきたことと、中国の需要家の間に原油の高騰に根ざしたSM市況の先高観測が広がってきたことが大きく作用してきたと見てよい。
 
 もっとも、わが国のSMメーカーは現在の相場ではまだベンゼンやエチレンとの適正なスプレッドを確保できていないとしている。しかし、これ以上の値上げは中国の需要家の強い反発を招いて取引数量の激減を招くとの見方もあってSMメーカーとしては引き続き厳しい立場にたたされそう。