2006年05月29日
三井化学、PHの6月の輸出価格も引き上げ
中国向け、CFRトン1,300ドルで決着
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、中国のPH(フェノール)の大手需要家との間で6月の輸出価格をCFRトン1,300ドルとすることで合意した。5月末積みの価格を同100ドル上回っている。
 
 同社によるPHの中国向け輸出価格は、中国の多くの需要家の買い控えによって今年4月中旬までおよそ半年にわたって同840〜950ドルの低水準に張り付いていた。しかし5月の労働節明けからは引き合いがにわかに活発化、それに伴い同社などサプライヤー各社の値上げ要求がスムースに受け入れられるようになってきている。
 5月初旬の船積み価格は同1,000ドルとなり、そして5月末積み分は同1,200ドルに達していた。それが6月分はさらに同100ドル高となることが確定したわけ。台湾の大手PHメーカーの中には同1,350〜1,400ドルを次の目標に掲げるところも出ている模様。
 
 このように大幅な値上げが通りはじめたのは、PHのアジア地域全体の需給バランスが日・台・韓の3ヵ国のPHメーカーの定修の集中によって極度に逼迫してきたからと見られる。三井化学の調べによると、今年3〜4月の2ヵ月で定修のために運休したPH設備の生産能力は全体のおよそ40%に達したという。また欧米でも多くのPHメーカーがほぼ同じ時期に定修を実施、このため欧米から中国や東南アジア地域への3〜5月の流入量が激減する事態となり、これがタイト化をさらに加速させる結果になっていると同社では分析している。
 
 アジア地域では、5月から7月末までのさらに3社が定修を予定している。このため少なくとも8月末までは逼迫状態が続く公算が濃厚となっている。