2006年05月29日 |
三菱化学、米国の機能性樹脂製造設備を倍増 |
エラストマーの生産体制を来春に年9,200トンに |
【カテゴリー】:経営(海外) 【関連企業・団体】:三菱化学 |
三菱化学は29日、100%子会社である三菱ケミカルパフォーマンスポリマーズ社(本社:米国サウスカロライナ州=MCPP)が、機能性樹脂コンパウンド設備の倍増を決めたと発表した。年産4,600トン能力の二軸スクリュー押出機をもう一機増設するもので、2007年6月完成の予定。完成後は既存設備と合わせ年産9,200トンとなる。 MCPPは、2002年からサーモラン(オレフィン系熱可塑性エラストマー)を主に自動車用エアバッグカバー向けに北米市場で製造・販売してきたが、年率2けたの伸びを示す需要に対応するため、既存の第1系列に加えて、第2系列を増設することにした。 増設する第2系列設備は、第1系列設備で製造していた非架橋型の「サーモラン」(TPO)に加え、自動車用内装シート材・モール類等用途で需要拡大が見込まれる「動的架橋型」熱可塑性エラストマー(TPV、商品名は同じく「サーモラン」)や、コンソールボックス等の自動車用内装部品用材料であるスチレン系熱可塑性エラストマーなど、日本国内で実績のある他製品も製造可能な設備仕様とする。 自動車用エアバッグカバーの北米における需要の伸びはこの数年、年率20%に達しているという。MCPPはこの分野のトップシェアを確保しているが、今後も引き続き高成長が見込めるのに加え、自動車内装シート材・モール類や、コンソールボックス等他の分野でもTPOが安定市場を確保していける見通しが着いたため倍増設に踏み切ることにした。 MCPPでは、2〜3年後には同じ規模の第3号機を増設することも視野に入れているという。 三菱化学では、これら熱可塑性エラストマーと機能性ポリオレフィンとで構成する機能性樹脂事業の充実・強化を同社全体の発展を実現するための重要戦略の一つとして位置づけており、今後は日本の自動車メーカーが本格進出を目指している欧州における生産拠点作りにも積極的に取り組んでいく考えだ。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1148876882.doc |