2001年08月22日
経産省の本庄課長、24日中国のダンピング公聴会に出席、意見陳述
メーカー各社代表も出席、重ねて“シロ”主張へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東洋スチレン、日本ポリスチレン、経済産業省

 中国政府はポリスチレンの輸入をめぐって日本、韓国、タイ3ヵ国のメーカーを対象にアンチダンピング調査を進めているが、経済産業省の本庄孝志化学課長は24日に北京市で開かれる国家経済貿易委員会(SETC)の公聴会に出席、この問題に関する日本政府の考え方を意見陳述する。
 
 SETCから開催案内が届いたため急遽出席することにしたもので、同じく7月にミッションを組んで訪中した、東洋スチレンの松上孝、日本ポリスチレンの阪本寿一社長らも出席、弁護士を通じて各社の意見を述べる。
 
 中国はこれまでアンチダンピング問題では、仮決定が出たあと公聴会を開催してきたが、今回はまだ仮決定が出ていない。異例のケースとして成り行きが注目されている。

 中国ではダンピング問題は、対外貿易経済合作部(MOFTEC)とSETCの2つの機関で取り上げ、調査を行なっている。MOFTECは調査全体のとりまとめとダンピングの有無、マージンの算定を担当、一方のSETCは、主として国内産業における「損害の認定」を担当しているとされる。

 このため24日の公聴会は、主として日本など3ヵ国からのポリスチレンの輸入が中国内の産業にどのような損害を与えたかの実態をつかむための開催とみられる。

 この問題については、経済産業省はこれまで一貫して(1)ポリスチレンの輸入品の中には価格も品質も正規品と異なる再生品が相当量含まれており、日本からのポリスチレンの輸出がいちがいに安値とは断定できない(2)日本の業界はこれまでにアライアンスや過剰設備処理を行なってきており、あえてダンピング輸出する必要があるとは思えない。現に輸出量は5年前に比べ半減している(3)日本からの輸出品は、中国で保税扱いを受け、現地家電製品などに加工されて再輸出されている。中国内の産業に損害を与えていることはないのではないか、などの点を主張してきた。
 本庄課長は公聴会では再度同趣旨の意見陳述を行うとみられる。