2006年06月07日
三井化学もPTAの輸出価格を引き上げ
中国向けの5月分、PXの値上がり分を転嫁
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学はかねてから中国のポリエステル重合大手企業との間で5月のPTAの輸出価格交渉を進めていたが、このほど決着した。
 
 決着の具体的な内容については明らかにしていないが、原料PX(パラキシレン)の5月の値上がりに伴うコストアップ分をそのままPTA価格に転嫁することで需要家各社の同意を得たとしている。
 PXの5月の価格はトン当たり1,080ドルで、4月に比べると同70ドル高となっている。PTAの原単位は0.67なので、今回の交渉ではPTAのCFR価格を同40ドル引き上げることで合意したもの見られる。4月の納入価格は同870ドルであったが、5月分は同910ドルに底上げしたと判断される。これより先に三菱化学も同910ドルに引き上げることで中国のポリエステル各社の同意を得ている。

 これで中国向けのPTAの輸出価格は3月の同860ドルをボトムに3ヵ月連続で値上がりしたことになる。中国のポリエステルメーカーの間には、最近のPXの国際相場の上昇傾向やPTAの需給逼迫度から推してPTAの国際価格の上昇が必至との見方が定着しつつあり、このため日本、韓国、台湾等の対中輸出国に対してこれまで以上に活発に引き合いを寄せる向きが相次いでいる。また、同国内の製品市況の改善にも意欲的に取り組むところが増えており、これに伴い最近はポリエステル長繊維の相場が急速に改善されてきている。