2006年06月07日
SMのアジア市況が一段と上昇
中国向けはCFRトン1,350ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 SM(スチレンモノマー)のアジアのスポット相場が先週に入ってさらに上昇してきた。先週末の中国向けのCFR価格の平均はトン当たり1,350ドルで、1ヵ月前に比べると同210〜220ドルもの値上がりとなっている。

 大手商社やSMメーカーでは、こうした大幅続伸の要因は専らBZ(ベンゼン)の国際相場の急騰にあると分析している。BZの国際スポット市況は、原油の国際スポット相場の続騰に伴って棒上げの状態が続いており、直近の韓国のFOB価格はトン1,000ドルの大台を突破して1,045ドルを付けている。4月から5月にかけて700ドル台から800ドル台で推移していたのが信じられない暴騰ぶりだ。
 しかも中国の需要家の間にはBZのスポットは今後もなお強含みで推移するとの見方が広がっており、したがって買いだめに出るトレーダーも増えつつあるといわれる。

 しかし、誘導品の価格はまだそれほど上がっていない。例えばPSのアジア市況の平均は同1,200ドル台にとどまっており、SMとは完全な逆転現象を呈している。このため、遠からず中国のトレーダとユーザーは採算割れを回避するため極端な買い控えに転じる可能性が高い。