2001年08月22日 |
酢酸の3Qの価格交渉、長期化必至の見込み |
メーカー各社は需給の均衡を背景に強腰で説得 |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:昭和電工 |
酢酸のアジア地域における取り引き価格は、メーカー各社の必死の努力にもかかわらず、いまのところまだ従来のレベルにとどまっている。PTAメーカー各社が強く抵抗していることによるところが大きい。リストプライスはトン当たりCFR590ドルが平均となっている。しかし酢酸メーカー側もこれまでになく強硬であり、このため交渉は長期化が必至の見通しとなってきている。 同地域の酢酸の価格については、セラニーズ、BP、昭和電工、協同酢酸など各国の酢酸メーカー全てがかねてから懸命に底上げに挑戦している。今年入ってからも、第1・四半期と第2・四半期の2期連続して同30ドルの値上げを打ち出すところが相次いだ。しかし、PTAメーカーなど需要家の抵抗が強く、交渉はいずれも不発に終わっている。 そうした中で酢酸各社はギブアップすることなく、第3・四半期分についても引き続き同30ドルの値上げにチャレンジしているところ。これは、原燃料価格の高騰によって従来の価格では採算を維持できなくなってきていることによる。 ポイントの一つの酢酸の国際需給バランスは、セラニーズがメキシコとドイツのプラントを止めたこと、BP・ペトロナスが新たにマレーシアで生産を始めた製品の30%を昭和電工が計画通りスムースに引き取りを開始していること、PTA各社の生産活動が依然として活発なこと--などの要因によって現在は均衡しており、今後もウエルバランスの状態が続くと見られている。このため、酢酸各社とも引き続き7~9月期分の価格是正に強腰で臨んでいく構えにある。 |