2006年06月09日
BZのスポット価格が米亜とも急落
韓国のFOB価格が一気に1,000ドル割れ
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 騰勢一途をたどっていたBZ(ベンゼン)の国際スポット価格が急降下してきた。石油化学大手が9日に入手した情報によると、最大の消費国である米国の8日のCFR価格はガロン当たり360〜370セントで、今週明けの平均を30〜40セント下回っている。トン当たりの平均化価格は1,100ドルで、今週明けに比べると100ドルもの値下がりとなっている。
 主要供給国の一つである韓国のFOB価格は、トン当たり960ドルで今週明けのFOB価格を同じく100ドル下回っている。

 BZの国際価格は、今年3月をボトムに各地で高騰を続けてきていた。米国のコントラクト価格(USCP)は、3月のガロン273セントを底に4月が280セント、5月が295セント、6月が330セントと推移。一方のアジアのコントラクト価格(ACP)は、3月と4月こそともにトン当たり737ドルにとどまっていたものの5月は810ドルに跳ね上がり、6月はさらに加速がついて910ドルに達している。

 それがこの数日で突然反落してきたわけで、わが国の石油化学企業の多くは急激な変化に戸惑いを隠せないでいる。
 この背景については、大手SM(スチレンモノマー)メーカーなど多くの需用家がこれまでの大幅なBZの値上がり分の製品価格への転嫁がいよいよ不可能となってきたと判断して高値のスポット玉の手当てを見送って減産に踏み切る姿勢を打ち出したことが最大の要因と分析する関係者が多い。来週以降の動きは予断できないが、少なくともこれまでのように上昇が再現することにはならないとの見方が大勢を占めている。