2006年06月12日
ソーダ工業 05年度の概況と統計
原料塩、中国からの輸入が大幅減、工業会まとめ
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本ソーダ工業会

 ソーダ工業会は05年度のソーダ工業の概況と関連統計をまとめた。「か性ソーダの生産量は、国内の景気動向に反し微減ではあるが減速傾向を見せた。原油や原料塩価格の高騰などもあり、事業環境はいぜん厳しい」としている。
 
<か性ソーダの生産>
 生産は前年度比0.6%減の451万トン、内需0.1%減の379万トン、輸出3.1%減の73万トン。内需と輸出を合わせた出荷は0.6%減の452万トンとなった。生産、出荷とも過去最高だった前年に続く2番目の記録となった。生産量は04年10月以降連続前年割れ。

 
 内需は堅調。紙・パルプ向けは引続き減少したものの、主力の塩ビ原料向け需要が好調に推移したため、輸入品を含めた総需要量は前年度比0.7%増の4,847千トンとなった。輸入塩素誘導品は塩素換算202千トン(29.4%増)と大きく増加した。インバランス量が3.2%増の956千トンと、5年ぶり増加に転じた。

<原料塩>
 原料塩の需要量は、か性ソーダ用塩が6707千トン(1.1%減)、ソーダ灰用塩が529千トン(2.3%減)、合計7,236千トン(1.1%減)となった。
 
 輸入塩の内訳はメキシコ塩3397千トン(4.1%減)、オーストラリア塩3591千トン(3.5%増)、インド塩361千トン(0.7%増)、中国塩77千トン(47.4%減)だった。
 
 中国は塩の需要は国内経済の発展からすでに、自国の生産量を上回っており、大量輸入している。わが国のメキシコ・豪州塩輸入シェアは計94.1%と、ますます高まる傾向にある。

<電力・エネルギー>
 05年度のか性ソーダ用電力消費量は110.3億KWH(0.9%減)。内訳は買電38.2億KWH、自家発電72.1億KWHで、両者の比率は34.6:65.4となり、前年度と比べてとくに大きな変化はない。

【05年度のソーダ生産量】単位:1000トン ( )は04年度
◇か性ソーダ :4,512(4,540)
◇ソ-ダ灰  :436(444)

【塩素の需要】単位:1000トン ( )は04年度
◇総需要   :4,847(4,814)
◇回収    :751(722)
◇差引き需要 :4,096(4,092)
◇か性換算  :4,747(4,721)
◇インバランス :956(926)
◇塩素製品輸入 :202(156)
◇国産塩素需要 :3,894(3,936)

【原料塩消費量】単位:1000トン ( )は04年度
◇か性ソーダ用塩 :6,707(6,778)
◇ソーダ灰用塩  :529(542)
◇合計      :7,236(7,320)

【原料塩輸入量】単位:1000トン( )は04年度
◇メキシコ  :3,397(3,542)
◇豪州    :3,592(3,470)
◇インド   :361(358)
◇中国    :77(147)
◇合計    :7,427(7,517)

【電力消費量】短異:百万KWH ( )は04年度
◇買電    :3,815(3,825)
◇自家発   :7,212(7,306)
◇合計    :11,027(11,131)