2006年06月15日
出光・住友・三井「C4留分からプロピレン生産システム」共同開発へ
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:出光興産、住友化学、三井化学

  出光興産、住友化学、三井化学の3社は15日、千葉地区のコンビナートで副生される分解C4留分を活用した「高効率プロピレン生産システム」の共同開発に着手したと発表した。
 
 3社は、同地区にそれぞれ一大生産拠点をもち、パイプライン網も整備されている。こうした立地条件を活かし、製油所および石油化学工場から出る副生C4留分とエチレンを原料に、クリーン燃料やプロピレンを高効率で生産するシステムの開発に挑戦する。
 
 プロピレン転換プロセスは、今年度からスタートした「石油コンビナート高度機能融合技術開発事業(RING〓事業)」の一環として取り組む。
 
 3社は今回の共同開発で、
 (1)製油所・石油化学工場の副生C4留分とエチレンの集積
 (2)原料として集積したC4留分からの目的成分の分離と濃縮
 (3)濃縮されたC4留分のプロピレンへの転換
 の各ステップを高効率で実現し、総合的なシステムとして設計・構築することを目指す。
 
 同システムが完成すれば、3社の千葉地区でのプロピレンのエチレンに対する生産比率は一般的な分解炉の0.6に対し、アジア・トップクラスの0.9以上となる。より付加価値の高いプロピレン系製品への転換が促進され、コンビナートの国際競争力強化につながる。

【高効率プロピレン生産システムの概要】
 ◇プロピレン生産能力 :年産15万トン目標
 ◇研究開発費 :約100億円(負担比率 :出光 50%、住友 25%、三井 25%)
 ◇研究設備の着工予定 :2007年度
 ◇実証試験の開始予定 :2009年度半ば
 
【プロセスの概要】
 ◇製油所の流動接触分解装置および石化の複数エチレン工場で副生するC4留分を集積し、その中のイソブテンを反応により選択的に重合させることでクリーン燃料に転換するとともに分離し、プロピレン原料となるノルマルブテンを濃縮製造する。
 ◇濃縮されたノルマルブテンを、三社の工場で生産・集積されたエチレンと触媒反応させることでプロピレンに転換する。
 
ニュースリリース参照(添付資料)
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1150356676.pdf