2006年06月16日
EGの7月のACP、910ドルにアップ
SABICマケティングやMEグローバルが通告
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 わが国の大手商社ならびにEG(エチレングリコール)メーカー筋によると、EGのアジア地域における7月のコントラクト価格(ACP)はトン当たりCIF910ドルに引き上げられることになった。大手供給メーカーのSABICマーケティングとMEグローバル社が大口ユーザーにナウンスしたことで決定した。

 6月と5月ACPはともに同870ドルであった。4月に比べると同20ドルの底上げとなっていたが、7月は一気に同40ドル高となった。3月の同890ドルを抜いて今年に入っての最高値となった。
 これに伴い、欧米のコントラクト価格と世界全体のスポット相場も順次上昇していく公算が濃厚といえる。

 ここにきてSABICやMEグローバル等がEGのACPの引き上げに踏み切ったのは、(1)EGの新増設プラントの立ち上がりが軒並み遅延する中で米国のEO/Gメーカーの多くが採算性に優れるEOに生産のウエートを移し始めたため世界全体のEGの供給力が当初の予想を下回る事態となってきたこと(2)最大消費国である中国における需要がポリエステル繊維向けを中心に活発化してきたためユーザー在庫が適正規模を割り込むようなり、市場全体に買い意欲のが高まってきたこと--の2点によって世界全体のEGの需給バランスが急速に引き締まってきたとの確信を持ったからと見られている。

 わが国のEGメ−カーも、EGの国際需給バランスは当分の間タイトの状態で推移するのが確実と言えるのでACPが早期に反落することはないとの見方を取っている。