2006年06月20日
新日本石油とJエナジー、広範な業務提携で合意
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ジャパンエナジー、新日本石油

 新日本石油、ジャパンエナジーの両社は20日、それぞれの競争力強化と発展を図るため、広範囲な分野で業務提携を行うことで合意したと発表した。
 
 両社は今後、上流分野から精製、物流、燃料電池、技術など幅広い分野で提携していく。特に製油所が隣接する水島地区では「RING」(石油コンビナート高度統合運営技術研究組合)を契機に海底パイプラインが完成しており両製油所の一体的操業が可能。合計精製能力は1日当たり45万バレルとアジア最大規模となる。
 
 今後はさらに高度な統合を目指す。精製設備だけでなく原油タンクの相互利用、共同配船、製造・出荷設備の集約・相互利用など、最大限のシナジー効果を追求する。
 
 新日本石油は出光興産とコスモ石油、一方Jエナジーは昭和シェル石油とそれぞれ業務提携しているが、両社とも今回の業務提携によって影響されることはないという。
 
 両社社長は記者会見したが、将来的には旭化成、三菱化学の石化センターも含めた、4グループの「ドッキング」も視野に入っているような口ぶりだった。資本関係の提携については両社長とも「全く考えていない」と否定した。
 
 両社社長の発言要旨は次の通り。
 
 【西尾進路・新日本石油社長】
 石油高騰が続く中、エネルギーの需給構造にも質的変化が生じ、エネルギーをバランスよく利用する時代になろうとしている。私たち企業にとっても枠を超えた提携が必要だが、高萩さんとはそういった危機意識を共有してきた。具体的な構想はこれからだが、両製油所合わせて45万バレルとなれば、アジア最大規模の製油所が誕生したのと同じだ。国際競争力に優れ、ゆるぎない地位をもった製油所を目指したい。
 
 【高萩光紀・Jエナジー社長】
 新日本石油は経営資源も豊富で、最適のパートナーだ。水島では一部有機的結合を実施してきたが、信頼できる相手と、同じ問題意識のもとで提携していく意義は大きい。政府もエネルギーに関する国家戦略をまとめたが、これとも方向は一致している。一日も早くアライアンス効果が出るようにしたい。旭化成、三菱化学の石化両社との連携プレーも将来出てくるだろう。その前にとりあえず製油所同士でやれることをやっていきたい。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1150791211.pdf