2006年06月21日
PVCの5月の生産、定修等で前年を大きく下回る
出荷は国内向けが好調で4月に続き前年超え
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会が21日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の5月の生産・出荷実績は総生産量が前年同月比91.8%の15万8,182トン、総出荷量が同103.3%の16万7,200トンとなった。

 生産が前年同月を大きく下回ったのは、2社がPVCプラントの定修を実施したのに加え在庫調整に踏み切るところもいくつか出たため。
 一方の出荷が前年同月超えとなったのは、同樹脂各社の値上げ表明を受けてパイプ向けを中心に国内で前倒し需要が発生したことと、もともと前年同月の国内出荷量が前の年に発生した仮需の発生の反動で低水準にとどまったことによると見られる。
 出荷のうちの国内向けは2ヵ月連続の前年超えとなった。うち硬質用は今年に入って初めての前年超えである。軟質用や電線用を合わせた3部門の出荷がすべて前年同月を上回ったのも今年初めて。
 一方の輸出は、逆に今年初の前年同月割れとなった。ただし、同樹脂大手によると、6月に入ってからの海外からの引き合いは中国の大手加工企業をはじめとして再び活発化しているという。

 また、同協会によるとVCMの5月の生産・出荷実績は、生産が同104.4%の23万4,344トン、出荷が同102.4%の23万5,568トンとなった。生産も出荷も今年に入って5ヵ月連続の前年同月超えとなっている。出荷が前年同月超えとなったのは、輸出が引き続き好調で前年を44.2%上回ったため。国内向けはPVCの減産が響いて前年割れに転じている。