2006年06月21日
米デュポンとBP、次世代燃料「バイオブタノール」開発で提携
【カテゴリー】:海外(ファインケミカル、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:デュポン

 米国デュポン(本社:デラウエア州、チャールズ・O・ホリデー・ジュニア会長)とBP社(本社:英国ロンドン、最高経営責任者:ジョン・ブラウン卿)は、20日(米国時間)、次世代バイオ燃料の開発、生産、商品化を目的とする提携関係の樹立を発表した。

 両社は、2003年から先進的なバイオ燃料の開発に取り組んできた。次世代バイオ燃料を市場に供給することで、拡大するエネルギー供給の選択肢を広げ、温室効果ガスの排出削減をもたらす再生可能な輸送燃料への移行を促進するのが狙い。

 最初に市場に送り出すのは「バイオブタノール」で、ガソリンのバイオ成分として2007年にイギリスでの導入を目指す。両社は、アソシエイテッド・ブリティッシュ・フーズ社の子会社であるブリティッシュ・シュガー社と連携し、イギリス初のエタノール発酵施設をバイオブタノールの製造施設に転用するプロジェクトを進めている。

 また、市場の状況に応じて、世界で新たな生産拠点を検討する一方、イギリスにはさらに大規模な生産施設の建設の可能性について調査するためブリティッシュ・シュガー社と共同でフィージビリティー・スタディーを実施中である。

 バイオブタノールの持つ低蒸気圧とガソリン混合における耐水性は、既存のガソリン供給および流通チャネルをそのまま使用することを可能にする大きな要素となる。
 
 バイオブタノールは車の仕様の変更なしに、現在のバイオ燃料に比べてより高いバイオ成分でガソリンに混合することができ、ガソリンとエタノールの混合よりも燃料経済性に優れ、車の燃料効率および燃費の改善をもたらす。

 バイオブタノールは、エタノール混合ガソリンの流通で妨げとなっているエタノールの低蒸気圧の影響を軽減することで、エタノール混合ガソリンの性能を高める作用がある。
 
 早期の市場への導入のため、初期のバイオブタノールの生産は、既存の技術で行う。第二段階で、新しいバイオテクノロジー・プロセスを使い、より高収率な生産の研究開発に着手する。この生産には多くの種類の原料、例えば、サトウキビやビート、トウモロコシ、小麦、キャッサバなどを使用するつもりだが、将来的には、成長の早いイネ科作物や、麦わら、トウモロコシの茎といった「農作物副産物」のセルロース系原料の使用も視野に入れている。
 
 バイオブタノールの製造工程はエタノールと類似しており、使用原料も同様であることから、既存のエタノール生産設備を改造すればバイオブタノールを生産することができる。

 バイオブタノールは石油由来の輸送燃料よりも、多大な環境上のメリットをもたらし、温室効果ガスの全般的な環境への排出を削減する。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1150873445.pdf