2006年06月26日 |
旭化成ケミ、アンモニア系製品の価格を改定 |
アンモニアの小口需要家向けは15円、硝酸は5円 |
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ |
旭化成ケミカルズは、アンモニア系製品の価格を再修正することにして需要家各社と折衝を開始した。アンモニアの小口需要家向けをキログラム当たり15円、また誘導品のひとつの硝酸の全需要家向け価格を同5円それぞれ7月10日出荷分から引き上げる。いずれも今年第3・四半期(7〜9月期)の国産ナフサ価格がキロリットル当たり5万,3000円に跳ね上がるとの見通しによる。 今回の値上げも、過去2年における価格修正と同様に原燃料価格の高騰に伴うコストアップ分を製品価格に転嫁しようというもの。うちアンモニアについては、原料価格の変動に連動して国際市況と同一のテンポで順調に修正されてきている大口需要家向けに加え、これまで転嫁が十分でなかった小口需要家向けも従来の未達成分を含めて底上げすることにしたもの。 一方の硝酸の場合は、全ての需要家向けをアンモニアの原単位(0.3)見合いの幅で引き上げることにしている。 同社によると、アンモニアの需給バランスは世界全体にタイト化が急速に進んでいる。需要が着実に伸びているのに対して3月以降の供給力がアンモニアメーカーの定修の集中や操業トラブルの続発で大幅に縮小しているのが要因という。日本国内のバランスも同じ背景から逼迫が進行、このため6月末のメーカー在庫はついに6万トンの大台を割り込んで5万7,000トン台になった模様。今年2月末の在庫は9万4,886トンであったが、わずか4ヵ月で6割前後に縮小したことになる。在庫率は0.5ヵ月分で適正規模を大きく下回っている。 硝酸の場合も、定修後の立ち上げの遅れ等によって在庫が適正規模を大幅に下回る事態となっている。旭化成ケミカルズの在庫率は0.3ヵ月分にすぎず、このため同社では今月末から出荷調整に入らざるを得ないとしている。 今後もアンモニアメーカーの定修が残っており、また輸入価格が急上昇していることもあってアンモニアと誘導品の需給バランスは引き続きタイトのまま推移する公算が濃厚といえそうだ。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1151297665.doc |