2006年07月03日
プライムポリマー、物流合理化活動を一気に加速へ
受注を市原に集約、バルクシステムも拡大
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーは体質強化策の一つとしてポリオレフィンの物流合理化活動を一気に加速する方針を固め、具体策を相次いで実行に移し始めた。主要施策の一つは受注体制の集約であり、もうひとつは「バルクコンテナシステム」の普及率の拡大である。いずれも、物流コストの削減に大きな効果を上げるにとどまらず生産の効率向上にも大きく寄与していくと言えるものだけに、今後の本格展開が注目される。
 
 今回、同社が本格展開に踏み切った体質強化策の一つである受注体制の集約化は、これまで各地に分散していたポリオレフィン各樹脂の受注を一ヵ所に集約するというものである。これまでは品種別に東京、千葉、大阪、名古屋、福岡等々多くの地域で受注していたが、今年5月8日以降は千葉県市原市に新設した「受注センター」に機能の全てを集中、ポリオレフィン全品種の受注に係わる活動の全てを同センターでこなしていくようにした。

 新体制で業務を開始して1ヵ月強だが、全国の需要家から寄せられる1日およそ1,500件の注文の全てを合計44人の人員で円滑に受注しており、極めて順調なスタートを切ることができていると同社では説明している。
 これによって、在庫の確認とそれを踏まえての関係物流企業への配送指示を含む受注活動全体の効率を着実に改善できつつあるという。また、多くの需要家から、発注業務の簡略化が図れるようになった点で高い評価も得られている様子だ。

 一方の「バルクコンテナシステム」の拡大計画は、平成8年から旧出光石油化学が採用してきた大型20フィートコンテナによる樹脂の大量配送システムをプライムポリマーでもできるだけ多くの需要家向けに適用していくようにするというもの。
 
 同社では、樹脂の製造現場でこの大型コンテナに樹脂を直接充填し、そして専用の大型トレーラでユーザーの加工工場にそのまま配送し、ユーザーサイロに直接納入することで、ユーザーでの作業効率化と包装・配送コストの削減の両面を図ってきていた。プライムポリマーとして統合・再スタートして1年が経過し、同システムの普及に必要な条件もほぼ整備できたので、今年以降は普及率を思い切って拡大していく考えだ。
 
 同社の執行役員である長尾潔・生産・SCM部長は「受注体制の統合もバルクコンテナシステムの採用も全て当社全体の体質強化の突破口を開くためのもの。こうした措置によって2〜3年で約20%の物流コスト削減効果を上げ、生産や販売面での合理化に大きく寄与していきたい」と旺盛な意欲を示す。