2006年07月04日
三井化学、PHのスプレッド改定交渉を決着
用役費10円アップで大手需要家の同意得る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は4日、かねてPH(フェノール)の需要家各社との間で進めていたPHのスプレッドの改定交渉が改定幅をキログラム当たり10円とすることでほぼ決着したと発表した。同社が国内で販売するPHの圧倒的多数を消費する住友ベークライト、大日本インキ、群栄化学の大手ユーザー3社と合意できたためほぼ全面決着の見通しを得たもの。同社が当初に打ち出した改定幅は同14〜18円であったが、需要家各社から圧縮を強く求められて下方修正した。7月1日出荷分から適用される。

 今回の改訂は、すでに需要家各社の同意を得て適用している“国内のベンゼン価格スライド制(先決め・月決め)”に加え、これまで据え置き状態できていたスプレッド分すなわちナフサやC重油の高騰に伴って大幅に上昇している用役(燃料・電気料金等)費とアジア市況との格差分の合計を実際の取引価格に加算することにしたもの。

 この改定案を大手需要家が受け入れることにしたのは、フェノール樹脂をはじめとするPH誘導製品の需要がきわめて旺盛でフル操業の継続が最重要課題となっている点と、一方のPHの需給バランスが欧州のPHメーカーの操業トラブルの続出もあってアジア全域で急速に逼迫している点とを重視したからと見られる。
 今回の合意によって、フェノール樹脂メーカーなど需要家各社はもう一段の原燃料の転嫁を目指しての製品値上げに踏み切ることになる。