2006年07月05日
三井グループ、ACの減産を強化へ
千葉の14万トン設備のACは全面リサイクル
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:出光興産、三井化学

 三井化学と出光興産の共同出資によるフェノール・アセトンメーカーの千葉フェノールは、かねて実施中のアセトン(AC)の減産を7〜9月期において一段と強化することになった。
 現在の同社のACの生産可能量(副生可能量)は年産23万トンで、うち14万トン分についてはかねてからそのうちの6万トンをプロピレンにリサイクルしている。この結果、ACは年6万トンの減産となっているわけで、同14万トン能力に対する減産率は40%強ということになる。
 7〜9月期にはそのリサイクル量をさらに2万トン増やす計画。年産ベースでは8万トンという計算になる。したがって、7〜9月期の同設備による副生ACのリサイクル率は100%ということになる。つまり、向こう3ヵ月は14万トン設備は事実上全面運休となるに等しいことになる。

 同社がこうした思い切った減産措置を取ることにしたのは、アジア全域における需要がMMAモノマーの原料転換の進展の影響で低迷し、市況も下降線をたどってきたため。直近のアジア相場はトン当たりCFR700〜750ドルで、昨年秋に比べると550〜600ドル下がっている。同社の場合は、需要好調のフェノールの生産を落とすことなくリサイクル手法を活用してアセトンの生産調整を実施できる点が他のフェノール・アセトンメーカーにない強みであり、今回はその利点をフルに生かすことになる。