2006年07月06日
日立化成、半導体用CMPスラリー 生産能力5割増
2010年度売上高、160億円目指す
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:日立化成工業

 日立化成工業は6日、半導体デバイス製造工程のCMP(化学的機械研磨)で使用される研磨
材料の銅配線用CMPスラリーの生産能力を2007年2月までに約50%増強すると発表した。

 CMPとは、半導体の回路形成工程や素子分離工程で発生するウエハー上の材料(配線用金属被膜、シリコン酸化物被膜、層間絶縁材被膜等)の不用な凹凸を除去し、平坦化する技術のことで、半導体デバイスの高速化、高集積化に伴い需要が高まっている。

 同社の銅配線用CMPスラリーは、世界に先駆けて提案した砥粒フリーな研磨材料で、研磨傷を大幅に低減しながら高速研磨を実現させた。
 
 また、銅配線用に使用されるバリアメタル用のCMPスラリーは、微小で少量の砥粒ながらも高速研磨が可能で、銅配線のロスおよび研磨傷を低減させた。
 
 同社のCMPスラリーの世界シェアはこのところ急速に高まっており、現在、銅配線用CMPスラリーでは約25%(世界2位)、他用途を含むCMPスラリー全体では約17%(世界第2位)となっている。

 同社は、1998年度に酸化セリウム粒子を採用したSTI用CMPスラリー、2000年には銅配線用CMPスラリーを実用化し、研磨速度の速さと研磨傷の少なさを武器に拡大してきた。

 今回、山崎事業所(勝田)(茨城県ひたちなか市)に生産設備を増強し、2007年2月までに生産能力を現在の約50%増に当たる年間約7,200 トンに拡大することを決めた。2010年度には売上高を約160億円に拡大する計画である。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1152160405.pdf