2006年07月06日
タカラバイオ「難治性白血病検査法」の特許実施権 米社に供与
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:タカラバイオ

 タカラバイオ(加藤郁之進社長)は6日、米国インビボ・スクライブ社(InVivoScribe Technologies、カルフォルニア州)に対して、急性骨髄性白血病の主要原因であるフルトスリー(FLT3)遺伝子の変異検出法に関する全世界(日本を除く)での特許実施権を供与すると発表した。

 FLT3は主に未熟な骨髄細胞の表面に発現している受容体タンパク質で、初期造血の制御に重要な役割を果たしていると考えられている。FLT3をコードする遺伝子の一部の配列が重複する変異(ITD変異と呼ばれる)は、急性骨髄性白血病の難治性を示す遺伝子異常マーカーで、急性骨髄性白血病患者の約1/3で検出される。またこのFLT3/ITD変異が確認された症例では治療後の経過がよくないことが知られている。

 急性骨髄性白血病の発症率は10万人に約2〜4人と白血病の中では最も多く、米国では毎年約1万人が発症し、年間7,000人以上が死亡している。現在、このFLT3/ITD変異を持つ患者を対象とした薬剤の臨床開発が世界中で活発に行われている。
 
 FLT3/ITD変異の有無を検査することにより、この変異を標的とした薬剤を、投薬適応性を確認のうえ投与することが可能になり、的確な治療につながる。

 タカラバイオは、このFLT3/ITD変異の検出法に関する特許を日本、米国で取得しており、欧州特許庁からも、登録査定をすでに受けている。

 インビボ・スクライブ社は、白血病やリンパ腫などのPCR法による検査試薬の分野に強みを持つ米国企業で、造血器腫瘍関連のPCR検査試薬の製造・開発・販売や遺伝子検査技術のライセンス活動などを展開している。

【インビボ・スクライブ社の概要】
◇社名:InVivoScribe Technologies, LLC
◇代表者:Jeffrey E. Miller, Ph.D (President & CEO)
◇所在地:6330 Nancy Ridge Drive, Suite 106, San Diego, CA, U.S.A.
◇設立:1995年
◇事業概要:PCR法を用いた検査試薬の開発・製造・販売や検査技術のライセンスアウト事業

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1152166932.doc