2006年07月07日
米倉・石化協新会長が会見
国際競争力強化へ基盤整備など基本方針を明示
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:石油化学工業協会
石化協・米倉新会長

 石油化学工業協会は6日に開催した第67回定時総会で、蛭田史郎会長(旭化成社長)の任期満了に伴い新会長に米倉弘昌・住友化学社長を選出した。副会長には藤吉建二・三井化学社長と野中洋一・丸善化学社長を選任した。野中副会長は再任。任期はいずれも2年。
 
 米倉新会長は総会終了後に記者会見し、蛭田前会長の過去2年の功績に謝意を表したあと「(1)わが国の石化企業共通の課題である国際競争力強化のための共通基盤の整備(2)保安・安全の確保(3)アジア諸国の石化企業との交流の拡大、の3点を基本に全力を投入していきたい」と所信を表明した。
 
 <米倉新会長の発言要旨>
 ○ 蛭田会長は、地球環境問題への適切な対応、自主保安の徹底、横浜でのアジア石油化学会議の開催などを通してわが国の石化工業の発展に大きく貢献してこられた。石化業界を代表して心から感謝の意を表したい。

 ○ 私の役割は、以下の三つの基本方針を二人の副会長や理事、協会事務局の皆さんのご協力とご支援を受けながら実行していくことにあると考えている。一つは、わが国の石化企業共通の課題である国際競争力の強化に必要な共通基盤の整備だ。経済産業省も、先の新経済成長戦略の中で産業全体の国際競争力強化していく考えを示している。石化協としては、そうした国の施策を十分活用しながらコンビナート単位の競争力の強化を目指していくことが重要だ。

 ○ 二つめに挙げたいのは保安・安全の徹底である。行政当局とも緊密に連携を取りながら保安の技術レベルの向上を図り、事故を絶対に起こさないようにしていかねばならない。海外の石化団体との間で保安・安全確保の情報を共有していく仕組みも検討していきたい。

 ○ もう一つの重要テーマは、広くアジア諸国全域の石化業界を対象にしての交流の拡大である。毎年開かれているアジア石油化学会議を活用してメンバー各国との交流を一層深めていくのに加え、湾岸諸国とも相互理解を深めていくようにしたい。

 ○また、石化協は2008年に創立50周年を迎える。そうした節目に当たる年を前に控えて、協会の委員会活動や運営組織のあり方を見直してリフレッシュな体制に改めていくことも必要と考えている。