2006年07月07日
東ソー、ニューポリマーの開発が順調に進展
HDPE設備の一部を改良して試験生産を開始
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはこのほど四日市工場で、メタロセン系触媒と新たな重合技術の組み合わせによるニューポリマーの試験生産を開始した。同工場内で稼動中の2系列合計年産12万5,000トン能力のHDPE設備のうちの同4万1,000トンプラントをメタロセン系の新触媒にも対応できるように改良して試作を始めたもの。
 従来のパイロットプラントによる試作から本プラントを使っての技術の最終確認へとステップアップを図ったわけで、狙い通りの機能と品質を持つ製品を安定的に工業化していける見通しが得られつつあるという。
 
 同社が新たに工業化をしようとしているポリマーは、メタロセン触媒法のポリエチレンが持つ大きな特徴である強度に加えて同法によるPEでは限界があるとされる高度の溶融張力も合わせて発揮するという新タイプの高機能ポリエチレン。
 同社では、こうした二つの特徴を併せ持つ強みをフル生かして既存のポリエチレンでは開拓できなかった新たな需要分野を切り開いていく考え。発泡製品やラミネート製品、さらには中空製品分野に新領域を確保していきたいとしている。
 
 当面は、同プラントを間歇運転しながら複数の品種を生産、特定のユーザーにサンプル配布して得られた評価を入念に確認しながら本格工業化計画を煮詰めていくことになりそう。
 
 同社ではこのほか、メタロセン触媒によるHDPEのパイプ用や繊維用などの新グレードの工業化準備も進めている。こうした高機能性品種を狙い通り相次いで戦列に加えていくことができれば、同社のPEビジネスの質は大幅な変改を遂げることになろう。