2002年05月30日
武田VEC新会長「“内憂外患”きっちり対応」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)の会長に就任した鐘淵化学工業の武田正利社長は、総会後のパーティーで挨拶し「塩ビ業界の現状は“内憂外患こもごも来る”だが、業界発展のため力を合わせ、きっちり対応していきたい」と、要旨つぎのとおり抱負を語った。
 
 「塩ビはここ数年、内需の減少傾向が続き、一時200万トンあった需要は昨年は150万トンを切った。新市場の開拓も進んでいない。輸出市場では、中国で大きな問題が起った。原料価格の急激な値上りや、環境問題への取り組みもあり、かつてない厳しさといっていい」
 
 「なかでも、とくに重要なのは事業収益の改善といえる。昨年度は業界全体で上期40億円の赤字を出したが、下期分を加えると赤字は100億円を超えているあろう。個別企業の問題とはいえ、新市場の開拓や生産、物流の合理化、商慣行改善などさらに徹底してやっていきたい」
 
 「中国のアンチダンピング問題には、きちっと対応していくつもりだ。これまでも私たちは、日中双方のプラスになるようやってきたつもりだが残念だ。しかし両国の間には、連絡会組織もでき先に官民対話も行われた。お互い正確に実態をつかみ、理解し合っていくよう努力したい」
 
 「環境対策にもさらに力を入れていく必要がある。ダイオキシンは、塩ビより焼却条件のほうが大きい問題ということは、行政当局からも指摘されていたが、事実最近は発生量が減少している。しかしリスク評価問題や、化学物質の安全管理など課題はまだ多い。早く社会に受け入れられる産業にしたい」