2006年07月18日
PSの6月の国内向け出荷が大幅増
今年上期合計はほぼ前年並みの44万トン
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が18日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の6月の生産量は6万9,544トンで前年同月を6%下回り、一方の出荷量は8万5,547トンで逆に前年同月を16%上回った。

 うち生産の前年同月割れはPSメーカーの定修による運休設備の規模が前年を若干上回ったのと、各社の減産の強化によるもの。これで生産の前年同月割れは14ヵ月連続となった。

 一方の出荷の前年同月超えは、5月の1%増に続く今年2度目のもの。国内向けが8万3,613トンで18%もの増加となったことによる。国内向けの2けた増は05年4月の12%増いらい14ヵ月ぶり。

 TV用や包装用の需要が回復して前年を大きく上回ったことと、SMならびにPS各社の値上げ表明に伴って全分野で先行需要が発生したことが大幅増の要因という。輸入品の増大もあって低迷を続けていたFS用も6月は大幅増となっている。

 輸出は引き続き不振で32%減の1,934トンとなった。これで輸出の前年同月割れは15ヵ月連続となった。

 このように、6月は生産が一段と縮小し、一方の出荷が大幅増となったため月末在庫が著しく減少した。前月比83%、前年同月比80%の7万9,535トンまで縮小、在庫率は1.0ヵ月の大台を割り込んで0.9ヵ月分となっている。月末在庫の8万トン割れは04年11月いらいとなる。

 こうした結果、PSの今年上期(1〜6月)の総生産量は42万3,539トンで前年同期を8%下回り、一方の総出荷量は44万2,559トンで同1%減となった。生産の減少は、定修規模の差の発生と1〜4月の需要不振に対応しての各社の生産調整によるもの。

 出荷がわずかながら前年を下回ったのは、FS用と包装用の需要低迷で1〜4月の国内向けが前年同期を大きく割り込んだことによる。国内向けの1〜6月計は43万1,929トンで前年の横並びとなった。

 FS用は8%減となっているが、電機・工業用、包装用、雑貨・産業用はいずれも前年を2%上回ってFS用の落ち込みをカバーしている。しかし輸出は1万630トンで37%もの減少となり出荷全体の足を引っ張った。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1153210283.pdf