2006年07月19日
PVCの6月の国内向け出荷、前年の9.7%の高水準
今年上期合計は103万トンで前年比微増に
【カテゴリー】:実績/統計(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が19日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の6月の生産量は15万9,229トン、出荷量は17万6,373トンで、出荷量が生産量を大幅に上回った。前年同月に対比すると生産は2.2%増、出荷は1.5%増となる。
 
 注目されるのは、出荷のうちの国内向けが9.7%もの高い伸びを遂げている点だ。中でも硬質用は5月の5万9,930トンから一気に7万4,962トンに拡大、前年同月を13.6%も上回る規模となっている。ただし、「6月の出荷増の中にはパイプ用をはじめとした多くの分野でPVC各社の値上げ表明を受けて前倒し需要が発生したことが少なからず作用したと見られる」(土屋隆・同協会会長ら)と分析する向きが同樹脂関係筋に多い。これで国内向けの出荷は3ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 一方の輸出は逆に16.1%減となっている。国内需要の増加に生産が追いつかなかったことによるものとの見方が多い。
 これに伴い、月末在庫は7万6,201トンとなった。前年同月を21.8%、前月を18.4%それぞれ下回っている。04年9〜11月いらいの低水準である。
 
 こうした結果、今年上期(1〜6月)の総生産量は101万3,413トン、総出荷量は103万2,816トンとなった。前年同期比は生産が1.4%減、出荷が0.9%増となる。出荷のうち国内向けは67万6,095トンで同0.8%増、輸出は16万4,047トンで同1.0%増となっている。国内向けは硬質用が0.2%、軟質用が0.1%、電線その他用が3.8%それぞれ前年同期を上回っている。