2006年07月20日
三井化学、EXとBPAの価格交渉を決着
EXはキロ31円、BPAは25円引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学が20日に明らかにしたところによると、同社がかねてから国内の需要家各社との間で進めていたエポキシ樹脂(EX)とビスフェノールA(BPA)の価格交渉が相次いで決着した。

 EXについては6月1日出荷分からキログラム31円、またBPAの場合は7月1日出荷分から同25円(ただし、中小規模の取り引き分は28円)引き上げることで需要家各社の同意を得た。EXに関しては同社の希望額が全面的に受け入れられた。一方、BPAの引き上げ希望額は30円であったが、ポリカーボネート樹脂メーカーなど需要家が上げ幅の圧縮を強く求めてきたため譲歩した。

 今回の両製品の価格修正は、最近の原料ナフサならびにベンゼン(BZ)の高騰分と各種用役費の上昇分を製品価格に転嫁することを目的としたものであった。EXで満額回答を得られたのは、最近のECH不足の進行もあってEXの需給バランスが急速に逼迫してきたことによって多くの需要家が原料確保を当面の最優先課題とせざるを得なくなってきたためと見られている。

 一方のBPAの場合も、ナフサとBZの高騰に伴うコストアップ分については全面転嫁が受け入れられた。ただし、用役費の上昇分の転嫁は2分の1以下に縮小を余儀なくされた。

 同社では、BPAとEXの原料価格は今後も続騰が避けられないと判断している。例えば第4・四半期の国産ナフサ価格はキロリッル当たり5万7,000円ていどに跳ね上がると見る向きが社内の大勢を占めつつある。このため盆明けには同10〜15円幅の再値上げを打ち出すことになるのではないかと見られる。

 EXの需給バランスはアジア全域で引き続きタイトで推移する見通しにあり、一方のBPAのバランスも秋口からPC(ポリカーボネート)の光学用品種の需要が急回復すると予想されていることから全体が再び逼迫するとの見方が広がっている。