2006年07月27日
PTAのアジアのスポット相場が続伸
タイト感の広がりでトン1,000ドル超え
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるPTA(高純度テレフタル酸)のスポット価格が一段と上昇してきた。今週明けの平均CFR価格はトン当たり1,010ドルで、90年代半ばのいわゆるポリエステルバブル時代の一時期いらいの最高値となっている。
 
 PTAのアジア地域のスポット相場が上がってきたのは4月ごろから。最大消費国の中国の需要が着実な増加を続けているのに対して、生産・供給量が原料PX(パラキシレン)の供給力不足のため追いつかなくなってきたことが最大の要因といえる。
 これも有力な促進材料となって、日本や韓国、台湾、タイといったPTA輸出各国の対中国向け輸出のコントラクト価格も3月をボトムに毎月上がってきている。原油の高騰に伴うコストアップ分を製品価格に転嫁するための値上げ表明が、需給のタイト化を背景におおむね順調に中国市場に受け入れられているからだ。
 
 主要サプライヤーの一つである三菱化学の7月のコントラクト価格は、6月比100ドル高に底上げされたといわれる。しかし同社では、PXの高騰が続いているため8月分も70ドルの再値上げを実現すべく中国の需要家各社と折衝中。さすがに中国のポリエステルメーカーも連続値上げには強い抵抗を示しているようで、その壁をいかにして突き破るかが注目される。