2006年08月07日
プラ製容器包装の容リ協の引き取りは順調
サイクル量は依然小規模にとどまる
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法の指定法人である日本容器包装リサイクル協会が6月中に全国の市町村から引き取った使用済みプラスチック製容器包装の総数量は4万7,201トンとなった。前年同月の実績を5.0%上回っている。この結果、平成18年度第1・四半期(4〜6月期)の総引き取り数量は13万8,598トンとなった。前年同期を4.1%上回っている。
 同じ容器包装リサイクル法の対象製品でもマイナス成長が長期化しつつあるPETボトルと異なり、プラ製容器包装は引き続き順調に引き取りが進展しているといえる。
 
 6月の引き取り実績の中には、白色発泡スチロール製食品用トレーの78トンが含まれる。同トレーの前年同月比は11.4%減と引き続き低水準に張り付いたままである。しかし圧倒的多数を占めるその他プラスチック製容器包装は4万7,123トンで、前年同月を5.1%上回っている。
 4〜6月の累計は、同トレーが220トンで前年同期を12.7%下回っているが、その他プラは13万8,379トンで4.2%増と着実な伸びを続けている。
 
 しかし一方、同協会の委託を受けての再商品化事業者による再商品化(リサイクル)の実績は全体に6月も依然として引き取り数量を大幅に下回っている。
 6月の総再商品化量は2万8,982トンで、前年同月を3.1%上回っているものの、総引き取り量の61.4%の規模にとどまっている。4〜6月期合計は7万7,259トンで前年同期を5.3%上回っているが、引き取り数量の55.7%をカバーしているにすぎない。
 うち、その他プラの再商品化量は6月が2万8,903トンで前年同月比が3.2%増、4〜6月計が7万7,075トンで前年同期比が5.4%増となっている。前年に対する伸びは順調といえるが、引き取り量との格差は一向に縮小する気配がない。
 
 この要因について関係者の多くは、(1)分別収集した製品の中に異物や汚れのひどいものが多数混じっているため簡単にリサイクルできない状態にあること(2)政府がマテリアルリサイクルを優先する政策を取っているため他の手法の伸びが抑えられる抑えられるかたちになっていること--の2点を挙げている。現に、6月の手法別のリサイクルの実績を見ると、プラスチック製品化が1万1.078トンで全体の38.3%を占め、前年同月を44.0%上回っているものの、高炉還元剤利用やコークス炉化学原料化など他の手法は軒並み前年を大きく下回っている。4〜6月合計でも、プラスチック製品化は全体の37.8%を占め前年同期を51.0%上回っているが、たの手法は高炉還元剤利用がわずかに1.3%増えているだけで他は全て前年を割り込んでいる。 この状態が続くと、分別収集品の多くが未利用のまま放置されることにりかねない。