2006年08月07日
汎用樹脂の輸出、対中依存率が一段とアップ
今年上期の累計、最高はPVCの75.4%
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の今年上期の輸出通関数量は、合計6品目のうちHDPE、PP-H(PPホモポリマー)、PP-C(PPコポリマー)、PVCの計4品目が前年同期の実績を上回る反面、LDPEとPSは逆にマイナス成長となった。
 
 しかし、香港向けを含めた中国向けはPSを除く5品目が前年を上回っている。最高はPP-Cの24.9%増で、PP-HやHDPEも2けたの伸び率となっている。
 しかも、全輸出量に占める中国向けの構成比率は6品目全てが前年同期以上に高くなっている。対中比率が最も低い樹脂で50.0%、最も高い樹脂では75.4%にも達しており、汎用樹脂の輸出全体に対中依存度が一段と高まっている点がはっきり表れている。
 
 今年上期の全輸出量に占める対中比率が最も高いのはPVC-H(塩ビホモポリマー)の75.4%で、前年同期を3.2ポイント上回っている。同樹脂の総輸出量の前年比は1.9%増にすぎないが、中国向けは6.3%増とかなり高い。中国向けの絶対量も27万9,206トンと多く、他の5樹脂を量の面でも圧倒している。
 これに次いで対中比率が高いのはPSの71.6%である。同樹脂の場合は、総輸出量と中国向け輸出量の両方が前年同期を下回っているが、対中依存率は逆に2.6ポイントアップしている。最も低い樹脂はPP-Cの50.0%だが、この場合も前年同期に対比すると9.0ポイントもの拡大となっている。他の3樹脂はLDPEが59.6%で前年同期比2.0ポイントアップ、HDPEが65.0%で同5.1ポイントアップ、PP-Hが62.8%で同3.5ポイントの拡大となっている。
 中国における需要は今後もなお増え続ける見通しにあるだけに、わが国の樹脂メーカーや商社の多くは引き続き対中取り引きの拡大に力を入れていくことになりそう。このため下期の対中依存度はさらにアップする公算が濃厚と言える。
 
 汎用樹脂の今年上期の対中輸出通関実績は別表の通り。

【関連ファイル】
汎用樹脂の06年上期の対中輸出数量
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1154910016.xls