2001年08月10日
「ジメチルエーテル燃料化急げ」検討会が報告
“次世代クリーンエネルギーとして期待大きい”
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:資源エネルギー庁

 資源エネルギー庁の「DME検討会」はこのほど、次世代クリーンエネルギーとして期待されているジメチルエーテル(DME)の導入検討を急ぐべきだとする報告書をまとめた。

 DMEはナフサや天然ガスを原料としたメタノールを脱水して製造される。物性はLPガスに近く、常温ではガス体だが加圧・冷却することによって液体となる。硫黄分などを含まないためクリーンエネルギーとして将来が期待されている。

 報告書は
(1)天然ガスはわが国近隣アジア太平洋地域にかなり賦存しており、セキュリティ面からも安定確保上有利となる。

(2)LPガスと物性が近いため、LPガスインフラの活用が可能。オーシャンタンカー、輸入基地、タンクローリー、充填所、スタンドなどの施設がそのまま利用できる。

(3)DMEは粒子状物質を排出せず、硫黄をふくまないため理想的なディーゼル燃料となり得る。燃料電池自動車や家庭・業務用の燃料電池コジェネの燃料として有望である。

(4)DMEは現在日本ではフロン代替エアゾールの噴射剤等として年間約1万トン、世界でも約15万トン使用されているが、スウェーデンではバイオマスからのDMEを自動車燃料化する研究が進んでいる。デンマークではディーゼルバスが試験走行するなど、海外でも研究が盛んである、と述べている。

 ただ本格導入に当たっては、安全性の確保やスペックや国際規格、LPガスインフラ転用実証、関係法制の整備、国の支援策などが必要になるとしている。