2006年08月09日
三菱化学、PTAの8月の対中価格交渉を決着
希望通り7月比トン70ドル高で同意得る
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学はかねてから中国のポリエステル重合企業各社との間でポリエステル繊維原料PTAの8月の輸出価格交渉を進めていたが、7月比トン70ドル高とすることでこのほど中国側各社の同意を得た。

 今回も同社の希望がそのまま受け入れられる満額回答となった。2ヵ月連続の値上げとなる。CFR価格はトン1,000ドルを若干上回ることになると見られる。1,000ドルの大台超えはおよそ10年ぶりとなる。

 今回の同社の値上げも前回(7月)と同様に原料PX(パラキシレン)の続騰に伴う採算割れを防ぐためのもの。8月のPXの価格は7月比同80ドル高の1,300ドル弱に引き上げられており、このため中国のポリエステル重合メーカーも原料の安定確保を続けていくには三菱化学の希望価格を受け入れるほかないと判断した模様。

 中国におけるポリエステル繊維の需要は、端境期にもかかわらず全体に旺盛で市況も軒並み底上げされている。例えば、完全延伸の長繊維は7月の1万2,510元が1万3,100〜1万3,200元に、部分延伸の長繊維は1万2,390元が1万3,000元に、チップは1万1,400元が1万2,200元にそれぞれ引き上げられている。これには、最近のPTAの新・増設プラントの多くが原料PX不足のためノーマル運転に入れずにいてPTA全体の供給能力が需要を十分に満たせない状態にあることが大きく作用していると見られる。